2013 年 2 月のお仕事・その 3
「航空ファン」の連載「RDT&E と戦力化」、今回のお題は「国際共同開発」。
これから、ますます増えると思われる国際共同開発。その背景事情は理解しておいてほしいと思うのです。ときどき、ちょっとピントを外した意見が散見される分野ですし。
国際共同開発といえば、以前から記事中で引き合いに出している A400M。開発難航やコスト上昇のうち、技術的な話は仕方ないとしても。意見がまとまらなくて話が進まないとか、リスクが大きい研究開発案件なのに固定価格契約にしちゃったとかいうのは、当事者の大ポカだと思うんですよね。
ことに固定価格契約の件は、いい出す方もいい出す方なら、それを受ける方も受ける方。政治的に拒否できなかったというのはありそうな話ですけれど、そうなると EADS グループの位置付けそのものに関わる問題になるかも。
Comments
記事を読みマスタ。
ヨーロッパ辺りの共同開発になると、関与して金出す国や企業がやたらと増えてしまって、金融におけるCDSみたいに、みんなで渡れば大丈夫! みたいな根拠無き安心が蔓延して、リスクヘッジするための共同開発の影の部分が無視されがちになるよな感じはします。
20年近く、タイフーンを眺めていて、あれは国際共同開発としてどうだったんだろう……、と首を傾げることは多々あります。
Posted by: えいじ | Feb 21, 2013 11:23 PM
ヨーロッパの場合、政治的に「特定の誰かが引っ張る」というスタイルが受け容れられがたいんじゃないか、とみているのですけれど、真相やいかに。EADS の経営体制作りでも、何かというとドイツが「独仏対等」をいい出す状況ですし。
タイフーンはねえ… チャンバラ戦闘機としては優秀だと思うのですが、パートナー各国の足並みの乱れや NCW 対応に関する歯切れの悪さなど、引っ掛かりを覚えるポイントはいろいろあります。
Posted by: 井上@Kojii.net | Feb 22, 2013 08:45 AM