« 【'13 - Day 3】絶好のコンディションだけど寒かった | Main | 川場スキー場にあった広告 »

Mar 01, 2013

最近読んだ本 : 兵士は起つ

内容はいわずもがなで、東北地方太平洋沖地震に際して救援活動に従事した自衛官への取材をまとめたもの。

…なのですが、冒頭で出てくるのはその前段。出先から駐屯地に戻る途中で津波に遭って流されてしまった陸上自衛官の話。なんとか切り抜けることはできたものの、そのままずぶ濡れで寒風にさらされながら近くの住民を救出する話。

それがひと段落して駐屯地に戻ったと思ったら、たちまち災害派遣任務で出動。しかも、駐屯地が津波にやられていたり、家族も被災したりという中で。さほど遠くないところにいる家族に会うことも、大きな被害を受けた地域にいる家族の安否が定かでなかったり。それでも、自分のことは後回しにして災害派遣任務に赴く。

「頭が下がる」という以上の言葉が出てこないです。ほんと。

杉山氏の著作に共通することですけど、むやみに自衛官を持ち上げることも貶めることもしないで、フラットな目線で「生身の自衛官」を描き出しているのが、読んでいてホッとしたところ。

|

« 【'13 - Day 3】絶好のコンディションだけど寒かった | Main | 川場スキー場にあった広告 »

Comments

18年前、長田区在住の知り合いは大阪ガスに勤務していまして、焼け出された後に着のみ着のままで職場に出頭、復旧作業でやっぱり2ヶ月ほど帰れなかったようです(顔を出せなくはなかったそうですが)。
公的機関の人達には頭が下がります。
私の勤務先も、3.11については無関係ではなかったのですが。幸い、ラインがずれていたので。

……昔、nifでそういう復旧要員=被災者があるので、人的予備の確保が必要と書いたら、突然、被災者エゴの話を持ち出してきたおバカさんがいて、以後レスを控えた事があったなあ。今思い出しても腹が立つw。

Posted by: いーの | Mar 01, 2013 05:48 PM

個人レベルでも「非常事態に備えた余裕・予備が必要」という類の話はいろいろありますけれど、その余裕・予備にかけられるリソースがどれだけあるかという問題が付きまとうので、難しいところ。

東北地方太平洋沖地震ぐらいの超大規模災害になると、人的な余裕・予備があったとしても、それまで食っちゃったでしょうしねえ…

Posted by: 井上@Kojii.net | Mar 01, 2013 07:20 PM

>復旧要員=被災者
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2012/11/post_5594.html
ふくしまに生きる ふくしまを守る~警察官と家族の手記
奥さんの手記はともかく、警察内職場結婚共稼ぎの子供の手記というのは、ほんとうにやるせない。

Posted by: sionoiri | Mar 01, 2013 10:02 PM

そういえば、「兵士は起つ」にも夫婦揃って自衛官という人が出てきますよ。そうなると、片親だけが自衛官の場合以上に、子供は親の顔を見られないし、家族は揃わないしで、これはきつそうです。

Posted by: 井上@Kojii.net | Mar 01, 2013 11:08 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 最近読んだ本 : 兵士は起つ:

« 【'13 - Day 3】絶好のコンディションだけど寒かった | Main | 川場スキー場にあった広告 »