スノーデン事件
この件に関連して原稿をひとつ書いてるんですが、それはそれとして。
SIGINT 担当の情報機関が自国内向けの通信傍受にも何某かの形で関わっていて… という話自体は、さほど新味はないんじゃないかと。結局のところ、スノーデン事件で衝撃的だったのは、暴露した御本人のポジションであって、その内容ではないのでは。
だから、今頃になって「ドイツなど西欧諸国の情報機関が NSA と密接に連携していた」なんて話を持ち出したところで、「ああさよか」で終わりになってしまうんじゃないですかねえ。これ、本人が関心を引きつけ続ける狙いで意図的に情報を小出しにしているのだとしたら、作戦を誤ってると思う次第。
かつて、エシュロン絡みで欧州諸国がアメリカにかみついたときみたいに、通信情報の収集そのものについては、なんとなく尻すぼみになってしまうんじゃないかと予想。ただし、暴露した御本人が最終的に、どこにどういう形で落ち着くかについては、また別の話ですけれど。
Comments
俺にNSAからオファーが来無いのは日本の情報教育のせい
http://d.hatena.ne.jp/gorotaku/20130704/1372905135
安倍さんのfacebook好きにも困った物だ。一体、専用の携帯を何台か持ちでやっているのか?携帯の番号もLINEとかサービス提供会社に差し出すんだし。
Posted by: sionoiri | Jul 09, 2013 08:05 AM
NSA が運営する博物館で「来場者」として記帳してきた私ですが、オファーが来ません (爆) という冗談はともかく。
確かに、総理はもうちょっと慎重に SNS に接してもらいたいなあ、と思うことはありますねえ…
Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 09, 2013 01:19 PM
本題に戻ると。スノーデンという人、今はまだメディアにチヤホヤされているけれど、そのうち、もっと刺激的で目新しいニュースが出てきたら、あっという間に放り出されて相手にされなくなったりして。
Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 09, 2013 08:37 PM
スノーデンネタ、日米経済戦争まで広がってますね。
米国の諜報活動では、日本は最大敵国の1つ
スノーデン事件から日本が学び、すべきこと
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38177
シカゴトリビューンにも書いてあるんだから本当なんでしょうが、
url略
けっこう世界中の贈収賄事件のリーク元は盗聴情報なんじゃないかと疑ってます。
もちろん検証できる手段を持ち合わせてませんが。
そういえば、本館の今週の軍事関連ニュースにも、なんでバレたんだろうって贈収賄ニュースがチラほらあったような。贈収賄で一斉検索をかけたい。
>日英両国間の装備品共同開発に関する枠組み合意
ひとつひとつ丁寧に失地回復ですね~
ーー
なんでスパム認定なんだろう
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Posted by: しまだ | Jul 10, 2013 12:50 AM
The Cia's Job In `Trade Wars'
July 27, 1995
この記事のurlがスパム認定のようです。
これもNSAの妨害にちが(ry
Posted by: しまだ | Jul 10, 2013 12:52 AM
ココログの spam 認定アルゴリズムって、ときどき謎な挙動を示すんですよね。すみません。NG ワード指定しているわけでもないのに…
だいたい、盗聴を容易にするために自国内で重要な国際会議を開くように仕向けた、なんて話もあるぐらい。「いまさら何を騒いでんの」と思ってしまう私がおかしいのかなあ、と考え込んでしまう今日この頃です。
Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 10, 2013 03:32 AM
俺にNSAから仕事のオファーが来無いのは、日本の情報管理教育のせいだ
http://www.yomiuri.co.jp/net/news0/national/20130709-OYT1T01518.htm
CIA長官の不倫メールのせいだったっけ?
「内部メール誰でも閲覧『Googleるグループ』利用」
Posted by: sionoiri | Jul 10, 2013 05:21 AM
これはもう、「そもそも省庁が安易に無料サービスを使うこと自体が問題」に尽きるでしょう。メールを一元管理できるメリットがあるとはいえ、この手の無料 Web メールサービスから職場のメールボックスにアクセスさせるのだって、どうかと思いますよ。アカウント情報とパスワード情報が外部に出るわけだから。
Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 10, 2013 05:40 AM
盗聴は国家のたしなみでエレガントにやるべしってことですね。
ちょっと日本国政府もやるべきことはやっててほしいところですな。
Posted by: しまだ | Jul 10, 2013 10:57 AM
自衛隊にも SIGINT をやっている部署はありますけれど、自国民向けだと警察の仕事でしょうねえ。
「スノーデンが乗ってると噂された」ボリビア行きの飛行機が上空通過拒否を食らって、ボリビア政府がブーブー言っているそうですけれど、その上空通過拒否の理由が「SIGINT でスノーデンが乗っているという情報を入手したため」だったら爆笑モノなんですが :-)
Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 10, 2013 04:25 PM
(ボソ)日本国憲法第21条第2項に電気通信事業法第179条の存在は・・・。
Posted by: 観音旭光の両刀使い | Jul 11, 2013 06:19 PM
といえば、通信傍受法を実際に適用した事例って、どれぐらいあるんでしょうね。あの法律、対象をかなり絞っているので、あっても大して多くなさそうではあります。
Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 11, 2013 10:12 PM
>(ボソ)日本国憲法第21条第2項に電気通信事業法第179条の存在は・・・。
「公共の福祉」の制限はどんな自由権にもあるから(逃げ腰
本当は「明白かつ現在の危険」とか要件を定めて、裁判所(第三者機関)の令状(許可)をとって盗聴する制度が好ましいのでしょうが、国家対国家や国家対テロリストの場合はそんな手続きを馬鹿正直にやるのはあほ臭いような。
オバマさんのコメントが一番納得してます。
>オバマ大統領は1日、訪問先のタンザニアで会見し、一般論としながらも「我々だけではなく、情報機関がある国はどこでも世界をよりよく知ろうと情報収集している」と理解を求めた。
http://news.infoseek.co.jp/article/asahi_TKY201307020050
世界中の国がやっているのであれば、我が国もsplendidにやってほしいところです。
しかしまあ、野放しにすれば『1984』みたいな世界になりかねないし、フーバーみたいなのに絶対権力を与えかねない危険は多分にありますね。
Posted by: しまだ | Jul 11, 2013 11:51 PM
連投スマソ
盗聴要件って表現の自由の規制の違憲判断基準とかとは全然違うのね。
他の捜査手段が試みられたが失敗に終ったか否か
合理的に見て、他の捜査手段が成功する見込みはないと考えられる理由
若しくは他の捜査手段は危険すぎると考えられる理由
アメリカ法だと、ここいらが要件になるのね。けっこう認められやすいのじゃないかと。
Posted by: しまだ | Jul 12, 2013 02:22 AM
こういうのって、好き放題にやらせたら問題あり過ぎるし、全面禁止にしても不便な場面が出てきそうなので、「どこまで認めるか、どうやって認めるか」という閾値・制度の設定がキモだと思うのでした。そこでどのあたりでバランスをとるかが、社会的に受け入れられるか、総スカンを食うかの境界になるんじゃないかなあと。
Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 12, 2013 06:57 AM
アメリカ憲法だと、そもそも「通信の秘密」の規定が無いんです。
だから、法律段階で色々出来ると。
一方、何と大日本帝国憲法第26条に「信書の秘密」が有りまして、他にもある程度、基本的人権が保障されており、意外に大日本帝国憲法って先進的だったと思います(なお、当時の「通信」は有線電信が普及し始めた段階で、まだ黎明期)。ただ「法律の留保」が憲法に規定されており、結果、それを元に色々法律が定められ、検閲やら治安維持法やらの昭和史の暗部に繋がってくると。
果たして、そのような前科のある国で「どこまで認めるか」とは「個人的には」思ってしまいます。
Posted by: 観音旭光の両刀使い | Jul 12, 2013 08:16 AM
観音旭光の両刀使いさま、どうもです。
帝国憲法の偉大さ、伊藤博文の先進性が良くわかります。
運用の仕方のマズさとか欽定憲法硬性憲法にしてしまったために修正がきかなかったのが問題であって、当時としては頑張ったんじゃないかなと思います。
>アメリカ憲法だと、そもそも「通信の秘密」の規定が無いんです。
>だから、法律段階で色々出来ると。
スーパースター米最高裁の判例もあるので、その範囲なんでしょう。制度設計をしくじれば違憲判決がくるし。
昔のワイヤータッピングみたいな定点観測から、現代のサーバーに侵入しての網羅的投網的なものまでいろいろありますし、犯罪捜査・テロ対策・スパイ対策・軍事活動等いろいろ種類があるので一概に良い悪いの議論は難しいのではないかと思います。
ただ、英国紳士密やかなたしなみである盗聴や覗き見は、犯罪捜査には有効かつ現代では必要性が増しているという認識だったり、オバマさんじゃないけど、みんなやってるって認識は前提はあるんじゃないですかね。
戦前の教訓を生かしつつどんな制度設計をして運用するかは現代人の知恵の見せ所ではないでしょうか。
Posted by: しまだ | Jul 12, 2013 02:24 PM
そもそも通信傍受なんぞ、しなくてもすむなら、それに越したことはないんですよね。ただ、そうでもしないとダメなケースがあることを完全に否定するのは難しい。一方で、プライバシー保護・人権保護という問題もある。
結局のところ、制度設計と歯止めをどこまできちんとやれるか、恣意的な運用を押さえ込めるかが問題なんだけれど、じゃあ、今の日本でそれがどこまで実現できているのか。問題はそこでしょうねえ。たとえば、対象となる犯罪の種類が曖昧になっていれば、それはヤバいわけです。
Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 12, 2013 07:19 PM
http://response.jp/article/2000/10/20/5053.html
次は人間Nシステム(藁
Posted by: sionoiri | Jul 12, 2013 10:52 PM
この手の記事が出てきたときには、その書き手が過去にどういう媒体でどういう仕事をしてきたのかをトラックしてみると、ちょっとした「私的インテリジェンスという名の頭の体操」として楽しめるかも :-)
Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 13, 2013 08:03 AM
この手の話で一つ疑問なのは,傍受/盗聴したはいいが,翻訳や分析は追いついているのかなあ?と.
911テロの折も,翻訳が間に合っておらず,テロ察知に繋がりそうな重要情報が放置されていたと聞きますし.
まして「プリズム」は,スノーデン氏の話を聞く限りでは,「エシュロン」よりさらに大規模なようですし.
Posted by: 消印所沢 | Jul 14, 2013 11:59 PM
追いついてないでしょう (きっぱり)。
「国家権力が国民を監視してフンダララ」と吹き上がる人も、データを収集するところにばかり着目して、収集したデータの山をどう活用するかというところはスルー。というか、データを収集すれば自動的に活用できるもんだと思っているのかも。
情報機関でなくても、データを溜め込んでも活用できてないんじゃないの、という話があるから、データマイニングとかビッグデータとかいって、IT 業界が商売のネタを作ろうとしているハズなんですけれど :-p
Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 15, 2013 07:03 AM
こういうデータってどう処理してんでしょうかね。
音声でも電子データでも、とりあえず全体を検索できうる状態にしとく。
いろいろ分類するなり、ランク付けをしておく。
どこまでを自国語に翻訳しておくかとか難しそう。
で、現代版Isser Harelを探してきて、分析させる。
そのうちスパコンとAIが全部やってくれるのかな?
Posted by: しまだ | Jul 15, 2013 11:53 PM
テキストデータはいいとして、音声・静止画・動画になると、何か手を入れないとキーワード検索できないですよね。内容を自動解析するなんていったら、解析アルゴリズムの作成で死ぬ思いをしそうですし。
実際、UAV で撮影した静止画や動画のデータ整理でも、それなりに手をかけているようです。
Posted by: 井上@Kojii.net | Jul 16, 2013 07:29 AM