最近読んだ本 : SL 機関士の太平洋戦争
ひとことでいうと「重い本」。日本国内で戦時中に機関車を走らせていた乗務員の話に加えて、樺太における終戦直後の居留民避難や戦後の引揚者輸送などを、実際に体験者から聴き取ってまとめた一冊。
戦時中、国鉄には「35 歳組」という言葉があったのだとか。つまり機関士が 18 歳で機関助士が 17 歳、合計 35 歳。ところがこの本の中には、それを下回るペアまで出てくるという… それが低質な石炭と過重負担 (勤務と列車の両方で) に苦しめられ、しかも機関助士になる前の庫内手勤務の過酷さまで加わるのだから、もう。
個人的には、以前から「桐と動輪」で読んで知っていた山田線の C58 脱線転落事故について、前後の経緯まで含めて読めたのが大きかったかなと。
Comments
http://secure.ikaros.jp/sales/list.php?srhm=1&tidx=0&Page=1&ID=2891
イカロスのこれも良かった。
車両区に入ると掃除を最初にさせられて、竹かごで何籠も運び出す。
運転時間も長かったし、「昔は良かった」というほど、躾が良かった訳でもないと言うのも判る。
後は、内部教育。鉄道学園に、通信教育。
http://jade.r-cms.biz/topics_list9/
人材育成も大変だったなと考えさせられること盛り沢山でした。
銀行の待合室にあったこのムックを全部読みきるほど、手際が悪かった行員さんも、もっと勉強してね。
Posted by: sionoiri | Jan 18, 2014 09:33 PM
労働環境は間違いなく昔の方が過酷だったし、人材育成もシステマティックなのか徒弟制度なのか分からないところがあったし… 御指摘の通り、単純に「昔は良かった」といってしまうと問題ありそう。
そういえば「桐と動輪」を読むと、そんな昔気質の鉄道マンがいろいろと出てくるんですよね。「モグラの検査長」とか「事故とカナリヤとうたと」とか。
Posted by: 井上@Kojii.net | Jan 18, 2014 10:10 PM