ロシア・ウクライナ情勢のトバッチリ
昨日、アメリカと EU がロシア向けの追加制裁を決めたとのこと。欧米にしろロシアにしろウクライナにしろ、「退くに退けない」状況になってきていて、どうやったら落としどころが見つかるのかと心配になるのですが、それはともかく。
欧米諸国とロシアの関係が悪化すると、実はアフガニスタンにトバッチリが行くというお話。
なぜかといえば、アフガニスタン向けの補給ルートとして、パキスタンから山越えするルートに加えて、ロシア経由の北方ルート、いわゆる NDN (Northern Distribution Network) があるから。
しかも、NATO 諸国は 2014 年末の撤収に向けて、アフガニスタンから人員・装備・物資の搬出作業中。
パキスタン経由のルートは安全面で問題を抱えている上に、例の UAV 攻撃をめぐる対立があって、いつ封鎖されるか分からないリスクが。そこでさらにロシア経由のルートまでアテにならない、なんてことになれば、在アフガニスタン軍の撤収に悪影響が生じる可能性が懸念されるところ。
持ち帰ると高くつくものは現地で処分したり売却したりしてますけど、何でもそれができるわけではないですし。
Comments
ユーゴやパレスチナでもそうでしたけど、上の方で手打ちしても、末端へ行くまでの間に思惑が入り込んだりして、必ずしも遵守されないという、どこかで見た景色が……。
Posted by: いーの | Apr 29, 2014 03:38 PM
正規軍とただの武装集団の差異は「統制」にありますし、正規軍でも国によってレベルが違うわけですけれど。それが、こういう場面でモロに悪影響を及ぼしかねないというのが、にんともかんとも。
それが「えっ」ていうところまで影響することもある、というのが当エントリの本題であるわけですけれど、世界各地の情勢が実はリンクしている一例、といえるのかも。
Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 29, 2014 10:24 PM
世の中は、複雑になってしまいましたねぇ。(割と、マヂ)
Posted by: いーの | Apr 30, 2014 10:00 AM
欧州情勢は複雑怪奇……
冗談はさておいて、現地処分とか売却の対象になるものって何なんでしょう。重機とか?
Posted by: TBSH | Apr 30, 2014 11:14 AM
土木関連の機材とか、建設資材とか、HMMWV みたいな車両は売れそうです。壊された車両でもスクラップとして売れそうですけれど、装甲板は機微情報が含まれるから難しいかも。
Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 30, 2014 11:53 AM