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Apr 05, 2014

小型 UAV の探知

韓国で波紋「安保体制に欠陥」…北機捕捉できず (讀賣)

当局の発表が二転三転した話はともかく、小型の UAV を探知するのって、案外と難しいんじゃないかと思うのですけれど。

小型の機体が低空をノロノロ飛んでくるということは、それを探知するレーダーには高い分解能とクラッター抑圧能力が求められるし、山がちな地形のところを飛んでいれば、なおのこと。

それに、速度が遅ければ、それだけドップラー効果の利用も難しくなるのでは ?

小さいから目視探知は難しいし、周囲が騒々しければ音を聞きつけるのも簡単ではないだろうし。この手の小型 UAV には RQ-11 みたいに電気モーター駆動のやつがありますけれど、そうなるとなおのこと。

もちろん、「なんで探知できなかったんだ」と問題意識を持つのはいいんですけど、それに対して技術的に対応できるのか、対応するならどうやって、というところでヒステリーを起こしても、ねぇ。

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Comments

鷹匠がカメラ付きのとか、イスラエルも動物保護団体に板挟みになっていますが、「武士の嗜み」ですから、アラブ側の方が上手。
でも、この手は北朝鮮では目立ちすぎてしんどいでしょうね。

Posted by: sionoiri | Apr 05, 2014 10:25 AM

相手がどのような意思を持って小型飛翔体を飛ばしているのか、も含めて、人事じゃ全く無いですよね。
自衛隊も超小型UAVの活用はいろいろ面白いことやっていますが、探知もいろいろ考えているのかな、と。

Posted by: ぼろねこ2k | Apr 05, 2014 01:51 PM

北朝鮮がどこから機体を発進させたのかが、気になるところなんですよね。特に青瓦台を偵察していたやつ。DMZ の向こうから発進させたのだとすれば、機体の航法能力と航続能力は侮れないし、韓国国内に工作員が潜入していたのだとすれば、それはそれで大問題。

市販のデジ一眼で済ませてしまったところは、正直いって感心してます。もちろん、機体を回収しないと画像も回収できませんけれど、手に入る限りのもので「うまいことやってる」なと。

Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 05, 2014 03:48 PM

>自衛隊も超小型UAVの活用はいろいろ面白いことやっていますが、探知もいろいろ考えているのかな、と。
今の所、超小型UAVでどんなことが出来るのかを模索している段階で、相手側が使ってきた場合の探知や妨害・撃墜まで真剣に考えている所は無いのでは?
プレデターとか、そこそこの大きさのUVAは現状の防空システムで対応できるでしょうが、手投げクラスまで小型の場合、どういうシステムで対抗したら良いんでしょうかね?
下手に妨害電波を出したら、自分たちのシステムも麻痺させてしまいそう。

>手に入る限りのもので「うまいことやってる」なと。
以前の不審船でもそうでしたよね。
決して高価でもない、むしろ安価な民生品を上手く組み合わせてそれなりのモノを作ってしまう。
ある意味、北朝鮮が一番上手く民生品を軍事利用しているのかも。

Posted by: きっど | Apr 05, 2014 06:48 PM

シンプルに考えれば、X バンドか mm 波を使う、小型でレンジが短いけど分解能は高いレーダー、ということになるのでしょうけれど、山岳地帯や市街地だと、地形や建物に邪魔されそうなのが難しいところです。

Twitter で「モーターと減速歯車とカムとスイッチがあれば、リモートケーブル端子を使って自動連続撮影ができるんじゃないか」って書いたんですけれど、これなんて、タミヤの「楽しい工作シリーズ」があれば大半は揃っちゃうでしょう。北朝鮮の工作員が「楽しい工作シリーズ」を買い漁っていても驚かないですよ。

Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 05, 2014 07:47 PM

 機体のサイズ、想定できる巡航速度、動力が何かにも拠りますが、仮に、非武装地帯の向こうから飛んできて、そもそも非武装地帯の向こうへ戻るだけの航続性能を持っていたのだろうか? と若干の疑問は抱きますね。
 肝心のエンジンというかモーターが何処製かの報道はあったかなぁ。

Posted by: えいじ | Apr 06, 2014 01:31 AM

DMZ の向こう側から飛ばしてきたとなると、航続性能もそうですし、地形追随/地形回避をどうやってるんだ、という話も出てくるんですよね。黄海の島で見つかったやつなら、また話は違いますけれど。

しかし、これで「韓国国内に潜入した工作員が飛ばしていた」なんてことになったら、また大騒動になるでしょうねぇ。

Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 06, 2014 07:29 AM

嫌な話、民生用のGPSと地形データで50m程度の高度で良ければ、今の小型ヘリ、飛行機の制御なら自律できちゃいます。(10mとか言われたら電柱が出てくるので現地入りの必要が) 
本当に民生用ですとバッテリー容量が壁なのですが、そういう意味ではエンジンなのかモーターなのかは知りたいですね。ただ、モーターですと本当に音は静かで、人間の感覚ではまず解らないとも思います。

で、コレに対抗をレーダーでやるのは心底大変だと思います。日本ですと、フルノが先日出したXバンド雨量レーダーの応用で出来てしまう気もしますがw

Posted by: ぼろねこ2k | Apr 06, 2014 09:01 PM

そういえば、GPS って緯度・経度だけじゃなくて高度もとれるから、充分な測位精度と地図データがあれば、それなりに対地高度に余裕を持たせるという前提付きで、地形回避ができるかも。

開けた場所ならともかく、街中でマイクロ UAV なんか飛ばされたら、ほんと見つけにくいと思うんですよね。もっとも、UAV の方も建物にぶつかったり突入したりするリスクがありますけれど。

Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 06, 2014 10:43 PM

いくつかある機体の写真の中にラジコンの2ストエンジンにノーマルのサイレンサーが着いてるのがあったように思います。プロペラが空色に塗ってないと突っ込まれてた(^_^;) でも高度が稼げない、距離も飛ばない、音も大きい、マフラーが飛んだにしては汚れてないしで、ちょっと怪しいと思いました。

Posted by: AL | Apr 07, 2014 12:20 PM

「北」無人機に日本の模型用エンジン…燃費よく
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140407-00050096-yom-int
北朝鮮製とみられる無人機 エンジン改造し航続性能向上か
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140407-00000022-yonh-kr
エンジンは日本製の模型用エンジンを使っているらしいですね。
カメラもニコンやキャノンだとか。
飛行速度も100~120km/hで航続距離200km超とか。

そこらじゅうにレーダーを配置しまくったとして、迎撃には何を使ったら良いんでしょう?
低速・低出力で赤外線放射は少なそうなので、赤外線誘導ミサイルでは誘導が困難か。
小銃や分隊支援火器に対空照尺付けとくのが現実的でしょうかね。

Posted by: きっど | Apr 07, 2014 08:45 PM

こうやってみると、追い込まれると民生品の軍事転用が上手くなるのかも知れない、なんて思ってしまいます。

小型 UAV を SAM で要撃するのは費用対効果が悪すぎる上にホーミングも難しそうなので、機関砲を使う方が良いのではないかと思いました。幸い、相手の速度は比較的遅いので、ジェット機相手よりは見越し角射撃はしやすそうですし。

Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 08, 2014 09:07 AM

機関砲は機関砲で難しいでしょう。
現状のテレメータ付ラジコンでも4000m位は上がれますから、近くを通らないことを考えると、40㎜クラスでないと迎撃不可能です。

目視できるなら、APKWSのような簡易なレーザー誘導弾を使うのがいいではないかと。

迎撃できない高度では写真の質も落ちるし、質のいい写真を撮ろうとすると光学系が大きくなるので大型化して、迎撃できるようになるから、パッシブ/アクティブな偽装を考えた方がいいかもしれません。たとえば、レーザーを当ててセンサを飽和させるとか。

Posted by: いーの | Apr 08, 2014 09:52 AM

うーん、レーザーはレーザーで、小さな目標に精確に当てるのが難しくありませんか ? C-RAM 用のファランクスなんかがよいのかも知れません。

Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 08, 2014 02:09 PM

手持ちは無理でしょうけど、激しい動きをするわけでもないし、画像認識で一度ロックすればそう難しくはないと思いますが。

Posted by: いーの | Apr 08, 2014 04:20 PM

どの程度の規模の機体を相手にするのかでも、違ってくるかも。
それなりに高度をとれる性能の機体と、手投げ式のマイクロ UAV・ミニ UAV で、同じ方法で対応するといっても無理がありそうだし。

前者だったら、それこそ画像認識やレーザー照射みたいな、それなりに凝った FCS の出番でしょうけれど、マイクロ UAV やミニ UAV を相手にするには、高くつきすぎないかなあと。

Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 08, 2014 05:26 PM

>手持ちUAV
その程度だと、上がっても数百メートルでしょうから、小火器の出番でしょうね。例えば、分隊支援火器を対空銃架に載せて、ARヘルメットにセンサ情報をインポーズして、全弾曳光弾にして見越しは人力で、とか。晴天ならARなしの完全人力で。
もっとも、侵攻側だと、意味ないですね。

APKWSとかは、今回、北朝鮮が送り込んだとされる、それなりのUAV相手という事で。考えてみると、井上さんがちょっと触れたように、C-RAMと性能エンベローブがかぶってくるので、UAV対策専用装備を開発するよりも、それこそセンチュリオンや破壊用レーザーみたいなDEWの出番かも。

マイクロ波という手もあるか。

Posted by: いーの | Apr 09, 2014 11:14 AM

確かに、高出力マイクロ波のビームを浴びせて電気・電子回路を駄目にしてしまう手は使えるかも。

Posted by: 井上@Kojii.net | Apr 09, 2014 12:39 PM

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