最近読んだ本 : 無人暗殺機 ドローンの誕生
実質的には、MQ-1 プレデターの誕生と、それが対テロ戦の過程でスターダムにのし上がっていく過程を描いた本。企業ものノンフィクションのひとつとして読んでも楽しめそう。
ところどころ、訳語に妙なところがあるのは引っかかりを覚えるものの、それでも一読の価値はあるかと。
(誰か「戦艦コール」に突っ込みを入れられなかったのかと思うけど…)
これを読んで、改めて思ったのは。何かひとつのプロダクトがモノになるには、当初の着想だけでなく、それを支えるテクノロジー、周辺の情勢、そして開発・製作・運用に関わる人の巡り合わせ、そういった条件がすべて揃わないとダメなのだなあ、ということ。
たとえば MQ-1 の場合、機体の製作に使う素材の技術、動画でライブ中継するのに必要な技術、機体を無人で飛ばすための技術、そこで重要になる測位技術、この手の機体に理解を示した官民の人々、そして対テロ戦という格好のステージ。それらがうまくシンクロして出揃ったのが、この機体にとって最大の幸運だったのではないかと。どれかひとつが欠けても、今、実際に起きているほどの成功には結びつかなかったんじゃないかなあ。
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