最近読んだ本 : 八甲田山 消された真実
最初に書いてしまいますが、読み終えてズドーンと重い気分になりました。
例の雪中行軍・遭難事件について、陸自の第 5 普通科連隊に所属していた著者が、資料・史料を丹念にあたってまとめ上げた本です。
八甲田山の一件というと、例の「八甲田山 死の彷徨」があまりにも有名で、うちにもあります。ただ、これはあくまで史実をたたき台にした小説なので、これに書かれた内容がそのまま事実だったと思ってしまうと、大間違い。
というところの認識を正してくれたのが、今回の「八甲田山 消された真実」でありました。あっちを見てもこっちを見ても、どうにもこうにもやりきれない思いにさせられる話のオン・パレードで、山中で遭難死した軍人たちは浮かばれないなぁと。
ただ、この遭難事件も日本近代史で実際にあった出来事のひとつなので、読んでみた方がいいと思いますよ、とだけ書いておきます。少なくとも、違った視点から事件を見ることができます。
Comments
八甲田山の話が今も人々の関心を誘うのは、いろんなアプローチで語れるからですよねぇ。
冬山サバイバルとしても語れるし、当時の世相や、国造りを急いで戦争に突っ走る組織論も出来れば、何か薩長支配まで絡んだお話も出来るとかで。
Posted by: えいじ | Mar 24, 2018 06:32 PM
しかも、遭難した 5 聯隊だけでなくて、無事に突破した 31 聯隊という対比相手がいるっていうのが。
もっとも、この本を読んでみると、その 31 聯隊の雪中行軍隊に対する見方が変わるかも知れません。
Posted by: 井上孝司 | Mar 24, 2018 11:10 PM