そのまたそのまたその後の G9 Pro (2)
いろいろ書いていたら長くなってしまったので、AF の動作に関わる部分以外の話は、別立てで。
といいつつ、なぜか測距点の話から始めるわけですが。
測距点といえば。カスタムマルチにしたときに、対象エリアの大小をダイヤルひとつで迅速に変えられて、しかもスティック操作でササッと移動できるのは秀逸。先にスティックで移動を指示しないとサイズ変更が効かないので、ちょっと戸惑うことはありますが。
測距点の数が多くなるほど、ハンドリングにも配慮しないと、ただ「扱いにくいだけ」になっちゃいます。その点、G9 Pro はよくできてる部類。ゾーンの選択肢をいくつも作る代わりに、サイズ可変式にして「良きに計らえ」というのは良い発想。
さらに、「右半分」とか「左半分」とか「横一線」とかいう、珍無類な測距点指定もできます。それを背面液晶のタッチパネルでやるんですが、これは少し難しい。測距点の数が多い (ひとつひとつが小さい) ので、指のサイズの方が大きくなっちゃうから。
EOS M5 で「動きものを流し撮りするにはアカン」と考えた主因である EVF については、G9 Pro は優秀。120fps に設定すれば、いたってスムーズ。メカシャッターを使うとブラックアウトは入りますが、完全に被写体を追えないというほどではないかなと。
ただし問題は、レリーズをやめた後のポストビューの割り込み。ブラックアウトよりもこっちの方が阻害要因なので、無駄撃ちしてもいいから途中で止めるな、というところでしょうか。
電子シャッターにすればブラックアウトの心配は要らないし、連写速度も跳ね上がります。んが、やはりローリングシャッター歪みは出てくるので、これは使えないかなあ。
とりあえず、このワンダフルでスピード感あふれるローリングシャッター歪みを見て見て ! #ちがうそうじゃない pic.twitter.com/LYwcObu1xD
— 井上孝司 (@kojiinet) 2018年7月10日
あちこちでいわれている通り、EVF は盛大に糸巻き型の歪みが出てます。でも、必死になって被写体を追ってるときは、そんなもん気にしてる余裕はありません (爆) サイズ (倍率) は 3 段階に変えられることになっているけれど、縦横比を 2:3 にすると、なぜか 2 段階になっちゃいます (ディスプレイのサイズの都合 ?)。
あと、「いいなあ」と思ったのが設定保存機能。あれこれカスタマイズしまくったときだけでなく、カスタマイズをミスったときにも重宝しそう。保存先が SD カードなので、フォーマットしたら設定情報を失う危険はありそうだけど、設定情報保存専用のカードを用意する手もあるし。
細かいところでは「もうちょっと改善してくれると」と思う部分があるものの、全体的にはよくできたカメラだと思ったんですよ。キヤノン ユーザーの視点からすると、操作系はスッと馴染める部分が多かったし。
ただ、主な用途として想定していた「デカい機材を持ち込めないエアショーでの戦闘機撮影」という、あまりにも特化した部分で AF が馬脚を現してしまったのが、個人的にはアカンかったなあと。
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