MFT 機に見切りをつけて
見切りといっても、クルマの車輌感覚の話ではなくて。
5 月頃からこちら、システム一式をコンパクトにまとめられるマイクロフォーサーズ機で戦闘機を撮れるかどうか、ということで、いろいろトライしていたのは御存じの通り。
先日のミラマー行きでも OM-D E-M1 Mark II を持って行って、1 日目に 7D2 で基本的なところを押さえておいて、2 日目に OM-D を試してみました。しかし、やはり歩留まりがあまりよろしくありません。
すでに百里で把握していたように、会場の正面を左右に横切るような場面なら、それなりに撮れます。でも、それだけだとサイドの似たような画ばかりになってしまうのは当然の帰結。それでも、7D2 には負けるものの、そこそこの歩留まりは確保できるだけマシ。
ところが、シャッタースピードを落とす必要があり、結果として絞り込まれてしまうヘリコプター、プロペラ機、ティルトローター機なんかが相手だと、ますます歩留まりが落ちてしまいました。
像面位相差 AF の作動限界のせいか ? と疑い、像面位相差 AF だけで動く C-AF ではなく、コントラスト AF も併用するらしい S-AF で試してみたものの、劇的な改善には至らず。
駐まっている機体なら、何の問題もなくきれいに撮れるんですけどねえ… 飛んでいる機体でも、輸送機ぐらいなら、ちゃんと撮れます。
G9 Pro にしろ E-M1 Mark II にしろ、ファインダーはいいんですよ。動きモノを追うには、現時点で最善クラスの EVF じゃないかと (ただし、高速表示に切り替える操作は必須)。しかし、いくら被写体をちゃんと追えて連写速度が速くても、AF の追従がいまひとつでは。
あと、細々したところの使い勝手。とどのつまり「測距点がいっぱいあって高速連写ができるだけで、動きモノに強いカメラになるわけじゃないよね」という話。そこのところはキヤノン・ニコンに、一日どころか数日の長があるなと思いましたね。
そんなこんなで、結論としては「弱点を回避するように運用で工夫すれば通用する場面もあるけれど、7D2 や D500 の代わりとして、同じように同じ意識で使うには無理がある」というところに落ち着きました。
それでだいぶ悩んだものの、損切りして手放すことに。ボディ 1 台とレンズ 2 本、ついでに EF 70-200mm F4L IS USM も一緒に売却。そしてその結果としてやってきたのが…
というわけで、うちで最古参、かつもっとも酷使されていたであろう EF 70-200mm F4L IS USM が II 型に更新されましたとさ。ついでに EF 24-70mm F4L IS USM も入手。これまでフルサイズ用の標準系ズームが 1 本しかなかったから。 https://t.co/Cy4u8ERP7w
— 井上孝司 (@kojiinet) 2018年10月5日
Comments
まあマイクロフォーサーズというより、ミラーレスの限界ですね、今の段階での。ですので、オリンパスの営業、技術の方はE-M1mk3のプロトタイプと菓子折り(いみしんw)持って井上さんの所に(略。
そんなに遠くない未来に、コックピット認識AFとかヘリローターモードwとか実装されそうな気がするので、改めて手を出してください。
今の段階だと軽くするためなのに、重たいシステムを予備で持ち歩く必要があり本末転倒ですし。
70-200㎜F4の新型は良さそうですよね、前のもそれ程悪くなかった気がしますが、新型はガッチリ改良入れてきましたもね。
Posted by: ぼろねこ2k | Oct 09, 2018 11:57 PM
やっぱり、こういう結果になってしまいましたね・・・。
鳥の方々はマイクロフォーサーズのユーザーが多いのですが、飛行機でも戦闘機のような高速移動物体にはまだまだですねぇ。
ここら辺の解決が、ミラーレスへの移行か、一眼レフに留まるかの見極めの所ですが、やはりまだまだと言う事で、来年のIYHは、70-200mm F2.8L の III 型かなぁ・・・(マテ)
Posted by: 観音旭光の両刀使い | Oct 10, 2018 07:54 AM
高いフレームレートで EVF を更新しつつ、大量に測距点がある像面位相差 AF を作動させて、その中から最適の測距点を選び出しつつ連続追尾… となると処理負担がべらぼうなのは分かりますし、しかもアルゴリズムの煮詰めも必要。処理能力だけなら力業で解決できるかも知れないけれど、ソフト的な部分は一朝一夕には追いつけないかなあと。
システム全体をコンパクトにまとめられるメリットは大きいし、ちゃんと決まればキレイに写るんですけどねえ… (ただし低感度に限る)
もしも改良型ができて「一般ユーザー目線でテストして欲しい」っていわれたら、喜んで協力していじめ倒す () 所存ではあるのですが。
目下のところ、システム一式をコンパクトにまとめつつ写りにもこだわるとなると、D7500 にサンヨン PF と 1.4x テレコンを合わせるのが最適解かも。
70-200/4L の II 型はいいですね。普通にちゃんとキレイに写ります。仕事の道具は、こうでなければいけません。
Posted by: 井上孝司 | Oct 10, 2018 08:32 AM
AFが強化されたというE-M1mk2でもダメでしたか。死んだ子の年を数えるようですが、Nikon 1が継続されれば是非オススメしたいです。AFが一眼レフ以上にスパスパ決まるし、秒間60コマは一眼レフ以上です。本当に残念です。
Posted by: santa | Oct 10, 2018 05:35 PM
条件を整えてやるというか、うまく機能する場面を選んであげれば、それなりに働いてくれます。でも、普通の人が普通に撮ってオールマイティに機能してくれるとはいいがたいかな、という結論でした。
もちろん、腕の立つカメラマンなら、もっと歩留まりを上げられるのでしょうけれど。
https://twitter.com/kojiinet/status/1046203136354877440
のツイートにつけた写真も E-M1 Mark II で撮ったやつで、特に右のファット アルバートなんか、きれいに撮れてるんですよ。しかし戦闘機や回転翼機やティルトローター機が相手になると以下略。
Posted by: 井上孝司 | Oct 10, 2018 07:33 PM