2022 年 11 月のお仕事・その 1
イカロスさんの「世界の名機シリーズ」というのがありますが、最新刊は「BAe ホークとダッソー/ドルニエ アルファジェット」。ただし私が担当したパートは、アルファジェットの機体解説パートのみ。富永浩史さん、松崎豊一さん、宮永忠将さんとの共同案件になっています。
あれやこれやの資料と首っ引きで書いたのですが、ただのマニュアル本になってしまっても面白くないし、けっこう難しいお仕事でありました。ホークもアルファジェットも、日本ではあまり馴染みのない機体で、せいぜい「アクロバットチームの使用機」という認識かも知れませんが、多少なりともこの辺の機体の話が浸透してくれるといいなあと思います。
なお、紙数の関係で収まらなかった追加ネタを電子版で読むことができます。最終ページにある QR コードを見逃さないでくださいね。
Comments
>宮永忠将
毎度、富永中将、陸海空どちらのご出身? と空目してしまう。にしてもレッドアローズは物持ちがいいのね。ぐぐったら1967年からこれ使っているらしいけれど。何ならうちと組んで、まず練習機の共同開発から始めれば良いのに。
Posted by: えいじ | Nov 14, 2022 09:59 AM
今のホークは、看板は同じでも中身は別物になっちゃってるので、当面、新しい練習機を開発する動機ってないと思うんですよ、イギリスには。
日本の場合、練習機というハードウェアの話はひとまず措いておいて、「将来の航空機搭乗員に求められる能力」と「それを実現するためのシラバスや仕組み」を再検討することが必要なんじゃないですかぬ。そこで得られる結論が、今と大して変わらなかったとしても。
Posted by: 井上孝司 | Nov 14, 2022 11:44 AM
>レッドアローズ
ホークの初飛行は74年なんで、Wikiの記述が間違っているんですよ。
確か80年のシーズンから、運用を開始しています。
>次期練習機
なんか、装備庁は、もうそんなものの開発には興味がなくなったんですかねえ。
残り寿命を考えたら、T~4のアンコをホークのものにするという方法もあると思うんですが。
Posted by: いーの | Nov 14, 2022 01:13 PM
>ホークとアルファジェット
総合訓練システムへの対応が差を分けたという事でしたが、アメリカ海軍への売り込みにあたって、それが要求されていた以上、ある程度は組み上げた上で売り込んだでしょうから、少なくとも、ポテンシャルはあったと思うんですよね。
総合訓練システムはロッキード任せで、フランスにはノウハウがなかった?
エジプト空軍機型が、ミラージュ2000に倣ったアビオニクスを導入しているのに、フランス空軍型がアップグレードしたのが2008年になってからとか、アルファジェットの改良について不熱心に見えるので、フランス空軍の思想的に、実用機での戦技訓練を重視しているのが、総合訓練システムでイギリスに後れをとったのには影響したのか。
矢継ぎ早に改良を打ち出してくるホークに対して、共同開発機という事で、動きにくいなにかがあったのか。
あげくに、PC-21を採用ですからね。
性能が高いから採用したのか、それともLIFTを導入するのに手っ取り早いと考えたのか。
(ダッソーは、アルファジェットのLIFT化を提案してはいましたよね)
これも、エアバスのノウハウがあるフランスらしくないなあという印象です。
FCASを待って、それから高等練習機を考えたいから、PC-21はあくまでつなぎなのか。
あるいは、欧州全体で考えて、フランス自前主義は放棄することとしたのか。
興味を持ち始めると、いろいろと疑問が浮かんできます。
Posted by: いーの | Nov 15, 2022 02:37 PM
PC-21 の導入に際しても、表に出ているのはバブコック。するとやはり、フランスのメーカーに、この手のモノを作るノウハウが足りないんじゃないかという印象は払拭できないですね。シミュレータならタレスでも手掛けているけれど、PC-21 用シミュレータは CAE なのも面白いところ。
Posted by: 井上孝司 | Nov 15, 2022 04:51 PM
>シミュレーター
こういうのは、ピラタスとの協業でしょうから、フランスに売るからタレスというわけには行かないでしょうし、逆に、スイスがフランスにLIFTの情報を渡したくなかったのかも、等と考えてしまいます。
>ホーク
よく考えれば、BAeはホークしかないのに対し、ダッソーはミラージュがあって、そっちの売り込みに注力して、練習機は手薄だったのかも知れませんね。
Posted by: いーの | Nov 23, 2022 01:16 PM