最近読んだ本 : 海軍技術研究所
久々の読書ネタは「海軍技術研究所」。帝国海軍におけるレーダー開発に焦点を当てて、それと、戦後のエレクトロニクス産業の隆盛の関連をまとめた本。
太平洋戦争については、国家が持っているリソースをいかにして有効活用するかというマネージメントの面で「まずさ」があったと思うし、それは本書でも指摘されているところ。ただしそれだけの問題ではなくて。
たとえば、海外で新しい技術やメソッドが出てきたときに、当初は冷淡でソッポを向いて「相手にしない理由」をせっせと挙げているのに、いざそれがモノになって活躍した途端に「バスに乗り遅れるな」と掌をひっくり返して大騒ぎ。でもスタートが遅いのだから追いつけるはずもなく。そんな根本的体質は、「今も大して変わらないのではないかなあ」という印象。
よく「日本でも○○を発明していた、技術的に遅れていたわけではない」みたいな主張をする人がいるけれども、それって研究室レベルの話でしょ。もちろん、研究室で発明や開発が行われなければ、その先はないのだけれど、「発明する」ことと「実際の製品やシステムにまとめて役立てる」ことの間には大きなギャップがあって。そこを乗り越えるときに重要なのがマネージメントじゃないかと。
ときには「まだ不十分なところもあるけれど、それはこういう工夫で乗り切ろう」みたいな話も必要。すると、最終的に実現しなければならない機能・能力・価値を見据えた上で、何をどう組み合わせればそれを実現できるか、実現のために使えそうな技術はあるか、といったことを考える人がいないと駄目なわけ。
そういう観点からの参考書として意味があるんじゃないかと思った一冊。

Comments
日本の政府や行政に問題点が無いとは言いませんが
少なくとも、日本の航空機産業が今一つな最大の原因は
日本の左派系野党ではないかと
Posted by: メリッサ | Jul 03, 2025 11:12 AM
それと(日本限定で言えば)世の中の流れで意見を変更するだけマシで
9.11もウクライナの戦争も完全に他人事で
「頭の中が冷戦時代からアップデートされていない左派」なんて日本では珍しくもないです
Posted by: メリッサ | Jul 05, 2025 07:51 AM
左派勢力に何の関係もないとは思わないですが、国としての明快かつ長期的な戦略やロードマップというものが見えてこないのも問題だと思うのですよ。アレを作りたい、これを作りたいとはいうけれど、それを通じてどういう姿の産業を目指すのかという点がはっきりしない。
Posted by: 井上孝司 | Jul 14, 2025 01:18 PM
確かに日本の場合は〇〇が旧式化したから、新型の〇〇を開発する。みたいな(悪い言い方をすれば)行き当たりばったりな所があります
(〇〇の開発に左派野党が難癖をつけてくるのがお約束)
それに対して、韓国政府は最初から「防衛産業を輸出産業にする事」を大前提にして兵器の国産化を進めていたみたいですね
Posted by: メリッサ | Jul 15, 2025 09:41 AM