書籍・雑誌
Apr 19, 2024
Mar 04, 2021
最近読んだ本 : 戦略航空偵察
航空偵察の意義やノウハウについて書いた本… というよりは、「戦略航空偵察史」という方が似つかわしい一冊。個別の飛行任務について細かく書いてあるので、「いつ、どこでどんなミッションがあった」を押さえる場面では参考になりそう。もちろん、公表されていない「ひみつ任務」もあったのでしょうけれど。
そういう情報を期待して読むのであれば、良い本だと思います。
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Jul 16, 2019
最近読んだ本 : 飛行機写真の教科書
中野耕志さんの新刊です。現物が届いて一読してみたら、ホントに「初めて撮る人向け」でありました。
ある程度の経験がある人にとっては、特に Chapter 4 以降の内容が大事だなあ、というのが読後の感想。
欲をいえば、正面を横切る被写体を追うときの角速度の変化を初めとする「被写体を追うためのノウハウ」(初めて飛んでる飛行機を撮る人にとって、これがいちばんの壁だと思う) であるとか、数字・数式による論理的な解説にも踏み込んでくれたらなあと思ったのですが、そこまで行くともう、別立てでもう一冊が必要ですね。
May 07, 2019
最近読んだ本 : なぜ日本陸海軍は共に戦えなかったのか
タイトルだけで、もう「中身についての説明は要らんわ」となりそうですが… 比較的知られている太平洋戦争中の話だけでなく、明治の建軍当初にまで遡り、歴史的経緯を追いつつ、確執がどうにもならないところまで進んでしまった背景を掘り下げた一冊。
なにも陸海軍に限った話ではなくて、異なる背景事情を抱える複数の組織が一緒に動くって、簡単じゃないよなあと思う事例は、身近なところにもあります。たとえば企業合併とか企業聯合とか。
V-22 の開発に際してボーイングとベルが組んだときにも、企業文化がえらく違っていて難しい部分があったといいますし。
そこまで考えを広げなくても、「なんで日本陸海軍はあんなだったんだ」という疑問があったら、土台になる背景事情を知る材料として読んでみて、という一冊。
Mar 07, 2019
最近読んだ本 : 国際線機長の危機対応力
先月、岡山に行く前に東京駅でちょいと空き時間ができたときに、ふらっと書店に立ち寄って見つけた本。なのに、それを読んだのは、岡山どころか北海道とオーストラリアへの遠征が終わった後 (´・ω・`)
と、それはともかく。読んでみたら、なかなか面白かったです。書かれているのは、民航機のパイロットが直面するさまざまな場面でどう対応するか、という考え方や心構えなどの話が主体なんですが、仕事で、あるいはクルマを運転する場面でも応用できそう。
本書には、「個々の事象にどう対応するかを教えるのではなく、その背景にある原理原則を教える」という趣旨の話が出てきます。まさにそれで、原理原則が分かっていれば、飛行機の操縦に限らず、その他の分野にも応用が利くんじゃないかなあ、と。
Oct 30, 2018
最近読んだ本 : ドリーム・マシーン
すでにあちこちで書評が出回っていますが、ひとことでいうと、V-22 オスプレイの歴史について書かれた本です。単に V-22 だけ取り上げるのではなくて、その前段に当たる技術実証機や、そこで関わってきた人々の話が盛りだくさん。
いうまでもなく、この機体は開発過程で何回か事故を起こしているわけですが、その事故の経緯や原因についても、ちゃんと説明されています。それだけでもこの本を読む価値はあると思いました。
V-22 は日本のみならずアメリカでも賛否両論・喧々囂々のところがある機体。この本の中には、アメリカで政府の意思決定権者に対して「いかに V-22 がダメな機体か」を延々と論じてメール攻撃を仕掛ける人が出てきます。
でも、これって「○○反対運動」に取り組んだ人がしばしば陥る、そしていちばんやっちゃいけないことの見本じゃないでしょうか。国が変わっても人間のやることって似てますね。
翻訳は自衛隊 OB の方が担当されていますが、そのせいか、ところどころに「自衛隊っぽい」言い回しが出てきます。ここでそれのネタばらしをするのは… まあ、止めておきましょうか。読んでみてのお楽しみということで。某書と違って、訳語は正確です。
Mar 23, 2018
最近読んだ本 : 八甲田山 消された真実
最初に書いてしまいますが、読み終えてズドーンと重い気分になりました。
例の雪中行軍・遭難事件について、陸自の第 5 普通科連隊に所属していた著者が、資料・史料を丹念にあたってまとめ上げた本です。
八甲田山の一件というと、例の「八甲田山 死の彷徨」があまりにも有名で、うちにもあります。ただ、これはあくまで史実をたたき台にした小説なので、これに書かれた内容がそのまま事実だったと思ってしまうと、大間違い。
というところの認識を正してくれたのが、今回の「八甲田山 消された真実」でありました。あっちを見てもこっちを見ても、どうにもこうにもやりきれない思いにさせられる話のオン・パレードで、山中で遭難死した軍人たちは浮かばれないなぁと。
ただ、この遭難事件も日本近代史で実際にあった出来事のひとつなので、読んでみた方がいいと思いますよ、とだけ書いておきます。少なくとも、違った視点から事件を見ることができます。
Jan 26, 2018
最近読んだ本 : 「動く大地」の鉄道トンネル
日本の鉄道に不可欠なトンネル。その中には難工事で大変な目に遭った事例も少なからずあるわけですが、この本の主役はその中の「丹那トンネル」と「鍋立山トンネル」。鍋立山トンネルについては詳しく書かれた記事を読んだことがあったけれど、丹那トンネルについては子供の頃に読んだ本の記憶がうっすらとある程度だったので、この本の存在を知って「読んでみよう」と。
丹那トンネルの工事史というわけではないから、思ったよりもサラッと流されてるなあと思ったけれど、概要は分かります。あと、トンネルの掘り方に関する解説はいろいろあるので、そっちのイントロとしてもいいかも。
あまり騒ぎにはなりませんでしたけど、北陸新幹線の飯山トンネルは鍋立山トンネルからそれほど離れていない場所を通っているので、それなりに難工事になったそうです。
Dec 16, 2017
最近読んだ本 : JR東日本はこうして車両をつくってきた
Twitter で刊行予告の話がどこからともなく (?) 流れてきて、「これは買わねば」と思った一冊。ボリュームはさほどでもないので、さらっと読めます。
ひらたくいえば、個々の車両ごとに「中の人が背景事情を語る」というインタビュー形式の本。既知の話もあれば、「そうだったんか」という話もあり。
もちろん、あらゆる話が開けっぴろげということはないのだろうし、なんとなく歯切れが良くないなあと感じる部分もあるわけですが。それでも、初耳な話はそこここに出てくるので、買う意味はあるかなと。
いつもの「利用者視点」「趣味者視点」に「中の人視点」を加えて、複眼的に物事を見るのに役立つかな、と思った次第。
Oct 06, 2017
最近読んだ本 : 最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか
以前からハードカバーは出ていたらしいのですが、見過ごしてました。文庫で出ていたのが目にとまって、即買い。
さまざまな分野の事故を取り上げて、事実経過や背景事情について解説しているのですが、事故そのものよりも、その事故に至るまでの経過に着目、それを複数のケースに分類しているのが目新しいところ。
そして改めて認識させられるのが、「連鎖」でしたね。ひとつのドジや不具合だけでは、そう簡単に大事故にはならないのです。ドジや不具合の連鎖があると大事故につながるし、その過程で人為的な判断ミスや手抜きや骨抜きが入ると致命的。
そして全体を通じて流れているのが、「人がマシンやシステムを御する」という厄介な課題。人とマシンの関わりというところでは、少し前に読んだ「サイバネティクス全史」も良書だったので、この 2 冊を併せて読んでみるのがお薦めかも。
航空事故に関する本は以前からいろいろ読んでいたので、航空事故については馴染み深い (なんだそれ) 事例が多かったですね。
より以前の記事一覧
- 最近読んだ本 : 豊田章男が愛したテストドライバー 2017.05.13
- 最近読んだ本・兵士に聞け [最終章] 2017.02.27
- 最近読んだ本 : Mi-24/35 ハインド 2016.11.24
- トレイシー (日本兵捕虜秘密尋問所) の現場 2016.09.16
- 最近読んだ本 : 古川享のパソコン秘史 2016.08.11
- 暗号戦 2016.06.26
- 最近読んだ本 : 軍事大国ロシア 2016.05.14
- 最近読んだ本 : 仏独伊 幻の空母建造計画 2016.03.13
- 最近読んだ本 : 振子気動車に懸けた男達 2016.03.12
- 最近読んだ本 : ハンター・キラー 2016.01.07
- 最近読んだ本 : 防衛装備庁 2015.12.22
- 最近読んだ本 : 日本海軍機関科将校の反乱未遂 2015.07.28
- 最近読んだ本 : 知られざる連合軍専用客車の全貌 2015.07.22
- 最近読んだ本 : アメリカ最強の特殊戦闘部隊が「国家の敵」を倒すまで NO EASY DAY 2015.07.06
- 最近読んだ本 : 無人暗殺機 ドローンの誕生 2015.07.02
- 最近読んだ本 : 未完の計画機 2015.06.14
- 最近読んだ本 : 東アジアの軍事情勢はこれからどうなるのか 2015.06.10
- 最近読んだ本 : イスラーム国の衝撃 2015.03.09
- 最近読んだ本 : 艦長を命ず 2014.12.20
- 最近読んだ本 : 暗号に敗れた日本 2014.12.09
- 最近読んだ本 : 東京総合指令室 2014.11.10
- 最近読んだ本 : 鉄道と戦争の世界史 2014.10.30
- 最近読んだ本 : インドネシア鉄道の旅 2014.10.22
- 最近読んだ本 : 国鉄車輌誕生秘話 2014.09.24
- 入院中に読んだ本 (2) アメリカン・ロイヤーの誕生 2014.09.09
- 入院中に読んだ本 (1) 米海軍で屈指の潜水艦艦長による「最強組織」の作り方 2014.09.08
- 最近読んだ本 : 車両を造るという仕事 2014.05.12
- 最近読んだ本 : ブルーインパルス - 大空を駆けるサムライたち 2014.05.06
- 最近読んだ本 : 世界の駄っ作機 7 2014.03.25
- 最近読んだ本 : 米中開戦 (3) (4) 2014.02.01
- 最近読んだ本 : SL 機関士の太平洋戦争 2014.01.18
- 最近読んだ本 : 指揮官の顔 2014.01.05
- 最近読んだ本 : 米中開戦 (1) (2) 2014.01.04
- 最近読んだ本 : 臨時軍事費特別会計 2013.12.23
- 最近読んだ本 : テロリストの回廊 2013.11.06
- 最近読んだ本 : 日本軍のインテリジェンス 2013.10.25
- 最近読んだ本 : 北の保線 2013.10.09
- いま読んでいる本 : 写真で行く 満州鉄道の旅 2013.10.08
- 最近読んだ本 : 工業材料入門 2013.10.02
- 最近読んだ本 : F‐16 - エース・パイロット 戦いの実録 2013.09.30
- 最近読み返している本 : 空母ガムビアベイ 2013.09.27
- 最近読んだ本 : 弾道ミサイルが日本を襲う 2013.09.17
- GP Car Story Vol.5 「Lotus 97T」 2013.09.09
- 最近読んだ本 : 「レアメタル」の太平洋戦争 2013.08.27
- 最近読んだ本 : 〈玉砕〉の軍隊、〈生還〉の軍隊 2013.08.15
- 最近読んだ本 : Project Terminated 2013.05.08
- 最近読んだ本 : 鉄道地図は謎だらけ 2013.05.01
- 最近読んだ本 : 電子戦の技術 基礎編 2013.04.22
- 最近読んだ本 : 戦略論 2013.03.20
- 最近読んだ本 : 兵士は起つ 2013.03.01
- 最近読んだ本 : 「情報戦争の教訓」「防衛駐在官という任務」 2013.01.17
- 最近読んだ本 : 世界の特殊部隊作戦史 1970-2011 2012.12.17
- 最近読んだ本 : シークレット・ウォーズ 2012.12.09
- 最近読んだ本 : ライアンの代価 (1) (2) 2012.12.02
- 最近読んだ本 : ゲームシナリオのためのミリタリー事典 2012.09.06
- 最近読んだ本 : エリア 51 2012.07.31
- 最近読んだ本 : 防衛省 2012.07.22
- 最近読んだ本 : 鉄道ダイヤのつくりかた 2012.07.10
- 最近読んだ本 : 満州鉄道発達史 2012.06.26
- 最近読んだ本 : 英国軍艦勇者列伝 2012.05.31
- 最近読んだ本 : レーダーの歴史 - 英独暗夜の死闘 2012.05.24
- 最近読んだ本 : ダムと鉄道 2012.04.06
- JA8941 2012.02.18
- 電子書籍のメリット 2012.02.14
- シリアのアサド親子 2012.02.07
- 最近凹まされた本 : 戦術と指揮 2012.02.06
- 最近読んだ本 : Red November 2012.01.30
- あべこべ 2011.12.23
- 最近読んだ本 : レッド・ドラゴン侵攻! (第 2 部) 2011.08.24
- 最近読んだ本 : まさに NCW であった日本海海戦 2011.07.03
- 最近読んだ本 : イラン革命防衛隊 2011.06.27
- 最近読んだ本 : インテリジェンス -機密から政策へ- 2011.06.13
- ずいぶん前に読んだ本 : エネルギー 2011.05.09
- 最近読んだ本 : 写真で見る海軍糧食史 2011.04.25
- 最近読んだ本 : 本当の戦車の戦い方 2011.04.20
- 最近読んだ本 : 日本人が知っておきたい「アフリカ 53 ヵ国」のすべて 2011.02.08
- 最近読んだ本 : 飛翔への挑戦 2011.01.17
- 最近読んだ本 : 海上自衛隊メンタルヘルス奮闘記 2011.01.13
- 最近読んだ本 : イタリア完乗 1 万 5000 キロ 2011.01.06
- 「レッド・ドラゴン侵攻!」by ラリー・ボンド 2010.12.20
- 最近読んだ本 : 写真で見る日本陸軍兵営の食事 2010.11.10
- いま見ている本 : 写真に見る満州鉄道 2010.09.03
- 最近読んだ本 : 誰も語らなかった防衛産業 2010.08.13
- 最近読んだ本 : ロボット兵士の戦争 2010.08.09
- 最近読んだ本 : 旅客機運航のメカニズム 2010.07.29
- 最近読んだ本 : 駅弁革命 2010.07.24
- 最近読んだ本 : 戦艦大和の台所 2010.07.07
- 最近読んだ本 : 世界の駄っ作機 (蛇の目の花園 2) 2010.06.26
- 最近読んだ本 : 海上自衛隊員の作り方 2010.05.13
- 最近読んだ本 : ホース・ソルジャー 2010.05.09
- 最近読んだ本 : ロシア・ソ連海軍戦略 2010.05.07
- ペリリュー島戦記 2010.04.04
- 連合軍専用列車の時代 2010.04.03
- 書評・踏切天国 2010.03.24
- マンガで楽しむ !! - ラクラク電波とレーダ 2010.02.06
- 世界の傑作機・ロッキード S-3 バイキング 2010.02.03
- 架空の潜水艦の名前 2010.02.01
- 最近読んだ本 : 空軍創設と組織のイノベーション 2010.01.31
- カメラと戦争 2009.12.19
- キラー・エリート 2009.11.30
- やりきれない気分になる本 2009.11.29
- 日米情報戦 2009.11.09
- 最近読んだ本 2009.09.11
- いま読んでいる本 2009.08.10
- 最近買った本・読んだ本 2009.05.18
- レッド・オクトーバーを追え 2009.05.14
- [書評]エニグマ・コードを解読せよ 2009.04.12
- 戦争は女の顔をしていない 2008.08.12
- 最近買った本 2008.07.12
- シビリアンが戦争 2008.06.10
- 迅雷計画・その 2 2007.11.23
- ふと思った II 2007.04.13
- 迅雷計画 2007.04.02
- 「反戦軍事学」という本 2007.03.21
- 獅子身中の蟲 2007.01.28
- 続・これはひどい 2006.08.27
- これはひどい 2006.08.25
- 世界のミリメシを実食する 2006.08.01
- 隠密部隊ファントム・フォース 2006.03.13
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