あまりサヨクをおちょくるネタばかりやっていてもアレなので、お得意の業界昔話をひとつ。といっても、これもまた「左」が絡む話ではありますが。
私の記憶が確かならば、「ウィザード」というものが初めて登場したのは、1992 年発売の Excel 4.0 だったはずです。「グラフ ウィザード」とか「クロス集計表ウィザード」とか。ちなみにこれ、私が MSKK 入りして最初に関わった製品でもあります。
意図的なのか何なのか、Microsoft がユーザー インターフェイスなどで新しい試みをするときには、まず Excel、あるいはその他の Office 製品で試験的に取り入れてみて、それが後で Windows やその他の製品に広まっていく、というパターンをとることが多くあります。Excel 4.0 のウィザードだけでなく、1991 年発売の Excel 3.0 が初採用したツールバーなんかも典型例ですね。
そのウィザード、Windows 95 ではセットアップ プログラムに取り入れたのですが、Excel でも Windows 95 のセットアップでもウィザードの基本デザインは同じで、[次へ] ボタンは右側、[戻る] ボタンは左側です。
ところが何事にも例外はあるもので、いつだったか会社でヘブライ語版の Windows 95 をセットアップしたら、このウィザードが完全に左右逆転していたので、のけぞりました。
ヘブライ語やアラビア語は BiDi (Bi-Directional) といって、字が右から左に流れるのですが、ウィザードもそれに合わせて左向き。画面のデザインは完全に左右反転していて、[次へ] ボタンが左向き。[戻る] ボタンが右向き。まるで「鏡の国のアリス」って心境でした。
しかもヘブライ語なんて読めませんから、何が書いてあるのかなんてサッパリ分かりません。それでも [次へ] ボタンにフォーカスがあるのだけは同じなので、それを頼りにしてセットアップ完了。
しかし、何のためにヘブライ語版なんてセットアップしたんだったかなあ…
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