今回は「スピードと遠心力」の話です。(タイトルに書いてあるやんけ !)
自転車やバイクで、ゆっくり走りながら車体を傾けて曲がろうとすると、ふらふらしてうまくいかず、転びそうになります。ある程度、スピードが乗った状態で車体を傾ける方が、上手に曲がれます。なぜかというと、スピードが遅いと遠心力が足りないからです。ある程度のスピードを出しつつ車体を内側に傾けることで、遠心力と釣り合いを取るところがポイントです。
ちなみに、曲がるときに内側に傾けるのは自転車・バイク・飛行機・鉄道。外側に傾くのは自動車と船。
おっと、閑話休題。
スキーも、内側に傾けるグループに入ります。もっとも、いわゆる外向傾姿勢で上半身を立てることもありますが、それでも下半身だけ見ると内側に傾いているので、概念としては同じです。
ですから、スピードが上がるとターン運動時の遠心力も増えて、釣り合いがとれます。そのため、傾きを作り出しても転びません。そして、この遠心力が、板を雪面に食い込ませて身体を支える力にもなります。そんなわけで、カービングなんかは、ある程度のスピードがないと駄目なのですね。
スピードを上げると遠心力が増えるということは、いわゆる作用反作用の法則というやつで、雪面から自分の方に向かってかかってくる力、いわゆる外力も増えます。これと板のたわみを組み合わせると、かかってくる力を利用して板を回して走らせる、なんてこともできます。切れ気味のショートターンをやると、この感覚がよく分かります。
そんなわけで、あまりにものろいスピードで滑るのではなくて、ちょっとスピードを上げてみることが上達の秘訣、といえます。ただし、いつでもスピードを落とせる、あるいは止められるということが絶対の前提条件です。止められないのはただの暴走です。
さて。スピードを上げるに際しては、2 つの関門があります。まず、どうやってスピードを上げていくか。もうひとつは、スピードに対する恐怖感の克服。まずは前者から。
◎方法 1: 中・急斜面に行く
そ う じ ゃ な い だ ろ
(,,`゚д゚)≡⊃≡⊃≡⊃)`A゚)ノ、;'.・
◎方法 2 : ズレを少なくする
板がズレると運動エネルギーが吸収されて、スピードが落ちます。つまり、板をずらす量を少なくする、あるいはズレをなくしてレールターンやカービングターンで滑るようにすれば、スピードは上がります。
斜度がない、あるいは雪が重いときなんかは、エッジを立ててカービングする方が、直滑降よりも板が走るような気がします。多分、板と雪が接している面積が少なくなり、摩擦が減るせいだろうと思います。
◎方法 3 : ターン弧を浅くする
深回りはスピードの抑制効果があります。逆に、浅回りはスピードが落ちにくくなります。さらに、ターン弧を縦長にすると、落ちている時間が長くなるので、これもスピードを上げる効果があります。このとき「落差を取る」なんていう表現をすると格好いいですね (違)
◎方法 4: アイスバーンを滑る
そ う じ ゃ な い だ ろ
(,,`゚д゚)≡⊃≡⊃≡⊃)`A゚)ノ、;'.・
アイスバーンはエッジがかかりにくいので、初心者・初級者のうちは避けましょう。
どうしても、初めの頃はスピードに対する恐怖感があります。それは仕方ありません。クルマの運転でも自転車でも同じです。
まずは、緩斜面でそこそこ距離があって、かつ空いているときに、思い切ってチョッカリ大爆走 (いわゆる直滑降) してみるといいかもしれません。安比高原の白樺ゲレンデみたいに、幅が広くて、下に行くほど斜度が緩くなる構成なら最高です。
まず、距離があれば「早く止まらなくっちゃ !」と焦らずに済みます。空いている方がいいのは、衝突事故防止の観点から見て当然ですね。
そして「もう限界」と思ったら、ずらしながらゆっくりターンして、少しずつスピードを落としていきます。それでも駄目ならターンは諦めて横滑りに持ち込みます。緩斜面なら、これで余裕をもって止められるでしょう。
スピードに対する「慣れ」と、「いつでも止められる」という自信。これが、スピードを克服する鍵だと思います。
スピードを上げたときに必要なのが、遅い人のかわし方。基本的には、前をゆっくり滑っている人の後ろを横切るように抜く方がよさそうです。逆に、前方を横切るのは衝突の機会を増やすので NG です。あと、スノボの人は何の予告もなしに、いきなり飛んだり跳ねたり転んだりするので、たとえ後方からでもあまり接近しない方が身のためです。
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